このところ交流会などの場で初めてお会いする人に仕事の話をする機会があります。
実際のところ、社労士がどんな仕事をしているのか、あまりご存知ないという方が多かったります。
「会社さんが加入しなければいけない社会保険の手続きを、その会社さんに代わって提出代行したり、助成金の申請を代行できるのが社労士です」と言うと「あ~」と言ってもらえます。
助成金については、昨年からコロナ関連で注目を集めたこともあり、社労士が関与する、ということは比較的認知されているようです。
そんな感じで、まず最初に、助成金や補助金などのお話になることが多いです。
それはもちろん、当たり前のことと言えるでしょう。だって今、本当にこう思います。「経営」というものにお金は非常に重要ですよね。ヒトの方が大事だと言ってみても、もしも給与が払えないとしたら元も子もない状態になってしまうではないですか。だから、もらえるお金の話になってしまうのは当然理解できます。
ただ、多くの方が思っているほど助成金は簡単にもらえるものではない、と私は感じています。
コロナに関して言えば、世の中が緊急事態ということで関連する助成金の要件が緩和されてはいますが、社労士が取り扱う、雇用・労働分野の助成金はとくに、対象となる従業員、つまり相手がいてのことです。会社がどんなに計画をしたとしても従業員の意向次第では計画通りいかないこともあるでしょう。そもそも、要件が非常に細かくて多く、なかなかマッチングが難しいのです。
仮に要件がマッチしても、いざ申請の準備をすすめ書類作成の段階まで行くと、多くは、対象従業員さんから署名・捺印をもらうことになるのですから、内容について認識のすれ違いなどがあるとしたら相手にどのような影響を与えるかはなんとなく想像できますよね。
重要なことは…
では、助成金申請について何が重要かというと、ひとえに「日々の労務管理」だと思っています。
その場しのぎで何かやろうと思ってもできないのが「労務管理」だからです。勤怠管理や給与処理もその日・その月ごとのタスクです。
この「労務管理」は、たとえば労務についてまだ何をすればいいかわからない会社さんに対して、重箱の隅をつつくような感覚で、最初からすべて完璧にしてもらうなんてことをイメージしてはいません。
しかし、今できることはやるということ。また、こういう管理をしていくというロジックを持つことは重要だと思います。
具体例をあげると、勤怠管理ソフトをどうセットしてどう使っていくかなんてことにそういうことが如実に出たりします。
ロジックを実践にうつすこと。それともう一つ重要なのは、労務管理が「客観性」を持つことだと思っています。
労務に客観性?
もしも方法がまったくわからないまま「こんなに一生懸命やろうとしているのに何がいけないんだ」「これぐらいやっているのだからまあいいだろう」ということだとします。その気持ちに共感できることは多々あるのですが、でもそれは主観です。
賃金台帳や出勤簿などの書類を、どこかの関係先に提出したとして、そこに整合性や規則性がある、説明ができる、理解してもらえるというのが客観性です。
日々の積み重ねは会社さんと従業員さんとでしていただくとして、法的または様々な視点から労務に客観性を持たせられるのが社労士だと思っています。
そんなわけで税理士さんなどに比べまだまだ認知度の低い社労士ですが、また人に会うたびに根気よく社労士のできることをお話ししていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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