労務という分野で地域を元気にするさざなみ社労士事務所の菊地です。
よくご存知の方には今さらな話になってしまいますが、本日は「労務管理」について書いてみたいと思います。堅苦しい内容かもしれませんが、ぜひ最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
なぜこんな内容で書こうと思ったかというと、お問合せをくださる方は、はじめて従業員を雇うことになって社会保険やら何からすればいいかわからない、という方が多いからです。社労士事務所をご利用になりたいという方で、労務というものの全体像がわからない、という方はけっこう多いということなんです。
「人事」と「労務」
まず、「人事労務」という言葉がありますが、その内容は大別すると「人事」と「労務」に区分することができると思います。
「人事」というのは、どんな人を何人くらい採用しようかなどの採用戦略、社員研修、配置、それから評価をして処遇していく、などがあるでしょうか。
一方「労務」とは、
雇用契約
就業規則
労働・社会保険手続き
勤怠管理
給与計算
などを指します。人が入社してから退職するまでの手続きや事務、安全衛生の観点も入れた日々の雇用管理を、労働関連諸法令・社会保険諸法令を踏まえながら行っていくことです。
「労務」は、地味で、ちょっとマニアックで、それから「人事」と比べると企業のタスクとしては非常に事務的な作業の比重が多くなります。ですから、敬遠されがちで、スポットが当たりにくく、その重要性が見過ごされがちであるとも思っています。
家庭生活で例えると「家事」
私は企業にとっての労務を、家庭生活に例えると「家事」であるという風に思っています。
さきほど労務は「敬遠されがち」と書きましたが、人を雇用したならば敬遠どころか避けて通れませんし、勤怠管理に至っては、日々それこそ毎日コツコツやっていくものです。
当然、それ自体は「目的」になり得ないものなのですが、でもちゃんとやっておいた方が人が心地よく過ごせます。心地よさは生活の質に関係します。
これは何も従業員側だけに限ったことではなく、経営者様にとってもスッキリと片付いた環境で本業に専念できる心地よさを感じていただきたいと思っております。
スッキリした状態って
家事にも料理や掃除・洗濯など別々の作業があるように、「労務」にもいろいろな要素が絡まっています。
まず、雇用契約書がその内容を満たしているか、自社の実態にあった就業規則であるか。
勤怠管理ツールには労働時間制や休日・休暇の設定、給与計算ソフトには残業割増単価の算出や保険料率が正しく設定されているか。社会保険手続きに漏れはないか、適正か。
とにかくそれぞれが細かくてややこしいのですが、関連する諸法令の基準と運用面の基準とともに、一度管理方法を決めて運用を走らせてしまえば一安心です。
さらに、雇用契約と就業規則の整合性がとれている、規則のとおりに勤怠や給与にルールが反映されていると全体としてのスッキリ度が増します。
そのほかの労務管理
それと、もう一つ長期スパンで発生しうる労務管理というものがあります。
従業員の職業生活上で起こりうることとして、メンタル不全や休職、出産や育児、パワハラ、業務中のケガなどです。
これから従業員を雇いはじめるという方には、まだ想像できないようなことかもしれませんが、社労士としてはご相談を受け、また該当する給付などがあれば手続きを代行、アドバイスさせていただく機会は多いです。これらは、イレギュラーなことのようで、人が仕事をしながら生きていくうえでけっこう起こりえることなのです。このような事案に対応するためにも、専門家である社労士を、ぜひお守り代わりに日ごろからご活用いただければと思っています。
◇当事務所では、労務に関する相談業務とセットで社会保険の手続き代行を行うサービスを行っております。ご希望に応じて給与計算代行もオプション対応させていただいております。
労務相談のみの顧問契約をご要望の場合はお申し付けください。なお、貴社で労務管理の事務を自走されたいというお客様は、管理方法に関するご提案・アドバイスも致しますので、お気軽にご相談ください。
会社が法律を守ることや労務管理をすること自体は、目的になるはずもなく、経営者と従業員で共に目指す真の目的はもっと高いところにあるのだと思います。しかし、その目的に到達するためにも、土台となる環境を整えて良いコンディションで過ごすことは重要です。
労務相談手続顧問に関する60分無料相談実施中です。
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