2023年4月から月60時間超の残業割増率が上がります。
- 管理人
- 2022年11月28日
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更新日:2023年3月3日
労務という分野で地域を元気にするさざなみ社労士事務所の菊地です。
本日は、2023年4月1日から月60時間超の時間外労働の割増率が50%に引き上げられることについてお伝えしていきたいと思います。
改正の概要
これまでも大企業においては適用されていた、賃金を計算する際の、月60時間超の時間外労働に対する50%の割増率ですが、2023年4月から中小企業にも適用されることになります。
このことにより、すべての企業で、月60時間を超える法定時間外労働に対して、50%以上で計算した割増賃金を支払わらなければいけなくなります。
具体的には、1ヶ月の賃金締め期間の起算日から累計して、60時間を超えた時点の時間外労働から50%の率で計算をして割増賃金を算出します。
深夜・休日労働の取扱い
もともと深夜労働(22時から5時までの労働)には25%の割増し、法定休日労働には35%の割増賃金の支払いが必要ですが、それらとの兼ね合いはどうなるのでしょうか。
【深夜労働との関係】
月60時間超の時間外労働を深夜の時間帯に行わせる場合:
深夜割増率25%+60超時間外割増率50%=75%
【法定休日労働との関係】
月60時間超の時間外労働を法定休日に行わせる場合:法定休日労働の割増率=35%
※月60時間超時間外労働の算定に法定休日労働時間は含まれません。それ以外の所定休日に行った労働時間は含まれます。

引上げ分の割増賃金支払いの代わりに代替休暇を与えることでもよい
会社は、労使協定を締結した場合(届出は不要)、月60時間超で割増率が25%から50%に引き上げられた部分の割増賃金の支払いの代わりに、有給の休暇(代替休暇という)を付与することとしてもかまいません。
【労使協定に定めること】
代替休暇として与えることができる時間数の算定方法
代替休暇の単位
代替休暇を与えることができる期間
代替休暇の取得日の決定方法および割増賃金の支払日
上記1.の時間数の算定方法とは次のように計算します。
代替休暇として付与できる時間数=60時間超の時間外労働の時間数×換算率25%
例:時間外労働100時間→代替休暇は10時間分(40時間×25%)
どんな準備をする必要があるだろう
今回の適用が猶予されていた会社のうち、1ケ月の時間外労働が60時間を超えることが見込まれる場合は、いろいろと準備をする必要があります。
まずは就業規則の変更です。割増賃金の計算方法に関する記載を変更します。代替休暇を与えることとする場合は、その記載と労使協定の締結の準備が必要になります。常時10人以上の労働者を使用している事業場では、就業規則の変更の際、所轄労働基準監督署に届出を行います。
次に、各種労務系システムの設定変更が必要になります。残業時間に関しては、勤怠システムの集計設定の変更、割増率の引き上げに関しては、給与計算ソフトの自動計算の設定変更をします。
最後になりますが、一番いいのは時間外労働を60時間以内に抑えること。それに越したことはないですね。ですが、業種・業態によっては非常に難しいという現状があることもまた事実です。
だから、労働時間管理や規程の変更・給与計算の作業時間だけでも減るように、ぜひ弊所にお手伝いさせてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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