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フィードフォワードの心を忘れずに

労務という分野で地域を元気にするさざなみ社労士事務所の菊地です。

みなさんは、「フィードフォワード(feed foward)」という言葉をご存知ですか?


ビジネスシーンなど多くの場面で、「フィードバック(feed back)」という言葉はよく使われているように思います。過去や現状の振り返りをして相手に伝えるというような意味合いです。


それに対して、「フィードフォワード」は、過去や現状ではなく、未来に意識を向けて行動することができるように働きかけるというような意味を持っているそうです。


今回は自戒の意味も込めて、この言葉について書いてみます。



社労士の仕事をしていると、労務トラブルに関するご相談を経営者様から受けますが、よく考えてみるとまだ起きていないことの話だったりすることが多いものです。


経営者様:「今後社内で○○のような問題が起きそうです。どうすればいいですか?」

私:「○○が起きた時は、△△にならないように、□□をしておけばいいと思います。」


というような感じです。たしかにこれも、今後起きそうな問題に意識を向けて予防策を講じておく、という「未来に意識を向けた」視点であると言えます。


社労士にとって、契約書などの書面や就業規則などの社内ルールで、何か問題が生じた時、判断が必要になる時に、基準や根拠になるものを文面にしておく、という仕事は重要な役割のひとつです。いわば、お客様にとってのリスクを回避するための考え方です。リスクを予見して会社を守るということをしたいのです。


でも、いかにリスク回避の視点が重要であっても、それだけでは足りないのです。


足りていないこと


それは未来に向かって経営者様と従業員様とで、


「どんな会社にしていきたい?」

「どんな状態なら心地がいい?」

「どんな状態ならやりがいを感じられる?」



という風に、いい状態やなりたい状態というものを思い描いてもらうことです。これが本当の意味での「フィードフォワード」です。


「もし、こんな問題が起こってしまったら…」ということばかりに意識を向けてしまうと、そんな未来を引き寄せてしまいそうですよね?なぜかはよくわかりませんが、たぶん自分から放ったエネルギーは相手にもそれなりの影響を与えているし、会社という場所もまさにそうで、同じ波長のエネルギーを多からずともそこにいる人たちは共有していると思います。



コーチングを通して見えてきたこと

この「フィードフォワード」という言葉は私がコーチングを習う過程で学んだ言葉です。


自分の子育ての場面を思い返してみると、たとえば、子供がテスト勉強をやらなければいけなくて、期日が迫っているのにゲームをしている、なんて時に良かれと思って、


「早くとりかからないと後で大変なことになるよ!」

「この間も点数悪かったのに、今回も悪ければどうするの?!」

「今やっとかないと受験の時苦労するよ?!行きたいとこに行かれないよ!」


私はこんな感じの言い方をしがちでした。今では大変反省しています。このような伝え方では相手のやる気にはつながりませんよね。つながらないし、たぶん相手が結果を出す前にお互いの関係性が悪くなります。だから、気持ちは同じでも、伝え方を変えていく必要があるのです。


「なんでできないの?」とか「また同じことを繰り返すの?」というような、原因や過去に焦点をあてるのではなく、「どうなりたい?」「どんな感情を感じたい?」というように相手にとってのなりたい状態・未来の状態を考えてもらうのです。


会社のシーンに話を戻すと、さらに、

「みんなで一緒にどんな店舗にしていきたい?」や「お客様にどんなサービスを提供していきたい?」など、アイデアを具体化していくこともできますよね。



経営者や上司が社員のなりたい状態に意識を向けて行動につなげていくという試みには、勇気が必要なこともあるのではないでしょうか。会社にはさまざまなタイプの人がいます。そんな中、人間にもともと備わっている良心を前提として信じる、というようなことが必要になってくるからです。


だから社労士として私は、リスク回避の視点はしっかりと持ちつつも、経営者様がポジティブな未来が描けるような言葉かけやヒアリングができるようになれればいいな、と思っています。コーチング理論がビジネスシーンで活用できることもお伝えしていければな、と思っています。

 

会社でもぜひ、フィードフォワードの心を、1on1や全体ミーティングなどで意識されてみてください。


ほかにも、社内ルールの伝え方(書き方)を、「○○しないと、△△はできませんよ。」とか、「△△するためには○○しなければならない。」から「○○することで△△できます。」などというような置き換えができます。よりポジティブさを重視する場面では、意識してみるといいかもしれません。



最後までお読みいただきありがとうございました。





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