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労働条件明示のルールが変わります。

更新日:2023年10月1日

労務という分野で地域を元気にするさざなみ社労士事務所の菊地です。

2024年4月1日から、労働契約の締結・更新時の労働条件として明示しなければいけない項目が追加されますので、一緒にチェックしていきましょう。


労働条件の明示とは

労働条件の明示に関しては、労働基準法第15条で、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」とされています。


「その他の労働条件」として明示しなければならない事項は、労働基準法施行規則第5条において、以下のとおり具体的に示されています。


  1. 労働契約の期間に関する事項

  2. 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項

  3. 就業場所・従事すべき業務に関する事項

  4. 始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇等に関する事項

  5. 賃金の決定、計算および支払方法、賃金の締切りおよび支払の時期ならびに昇給に関する事項

  6. 退職に関する事項(解雇の事由を含む)


以上のうち2番は有期契約労働者にのみ該当する項目ですが、すべて労働者に対し明示しなければならない労働条件となっています。書面による交付が原則です。



追加になる労働条件とは?

では新たに明示することが必要になる労働条件とは何なのでしょうか?


まず一つ目が「就業場所・従事すべき業務の変更の範囲」です。現行では、就業場所と従事すべき業務は、雇入れ直後の就業場所と業務を明示すれば足りるとされていましたが、「変更の範囲」を明示することが必要になります。「変更の範囲」とは、将来の配転などで変更し得る内容を指しています。


これはすべての労働契約の締結時と契約更新のタイミングで必要です。なお、「雇入れ直後」の就業場所・業務に加え、「変更の範囲」と両方とも明示します。


有期契約労働者に対する新たな明示事項

以降の追加は有期契約労働者に対しての明示事項になります。二つ目は「更新上限の明示」。有期労働契約の締結時と更新のタイミングごとに、更新上限(有期労働契約の通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容の明示が必要になります。


また、更新上限を新たに設ける・短縮する場合は、労働者へ説明が必要になります。最初の契約締結時より後に上限を設けた場合や、更新上限を短縮することとなった場合は、その理由を有期契約労働者へあらかじめ説明しましょう。


三つ目は「無期転換申込機会の明示」です。無期転換申込権※が発生する更新のタイミングごとに、無期転換を申し込むことができる旨の明示が必要になります。


併せて「無期転換後の労働条件の明示」も必要です。無期転換後の賃金等の労働条件を決定するにあたって、他の通常の労働者(いわゆる正社員等)とのバランスを考慮した事項(業務内容、責任の程度、異動の有無など)について、有期契約労働者に説明するよう努めることとされました。


※同一の使用者との間で、有期労働契約が通算5年を超えるときは、労働者の申し込みにより期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換する制度です。


いずれの事項にしても、契約内容があいまいになっていることで、トラブルが増加しているような内容なのではないかと感じました。労働契約書作成でお困りでしたら、ぜひ当事務所までご相談ください。


最後までお読みいただきありがとうございました。







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