今日は、ボーナスの出る会社では必ずしなければいけない「賞与支払届」の「総括表」の提出が必要なくなったという記事を書いていきます。
そもそも賞与支払届とは…
そもそもの「賞与支払届」というものをご存じない方に向けて説明していきます。
賞与支払届とは、社会保険に加入している会社で、ボーナスを支払った場合に年金事務所や健康保険組合に対してその額や支給日を申告する手続きのことです。
給与計算事務において、ボーナスの計算をする際には、その額に社会保険(=健康保険・介護保険・厚生年金保険)料率をかけて、その保険料を控除します。
ボーナスをもらったことのある人は、賞与額に対して結構な社会保険料が引かれて支払われていることをご存知でしょう。
そのようにして、かけなければいけない保険料をかけて支給額から控除しています。
会社はその控除した保険料額と会社として負担しなければいけない保険料額(本人負担分と会社負担分の社会保険料は折半となっています。)の合算額を保険者(その制度の運営主体)へ納めることになります。
しかし、保険者に対して会社が、誰にいつ・いくらボーナスを支給したのか申告をしなければ、保険者はその情報を把握することはできず、社会保険料額を会社へ請求することができません。申告をしないでいると、従業員本人から控除した保険料額と保険者から請求されるべきはずの社会保険料額が計算上合わなくなってきてしまうのです。
賞与支払届の提出は支給日から5日以内
賞与支払届の提出は、支給日から5日以内にすべきとされています。これはなかなかタイトな期限です。
支給日・支給対象者・支給額を申告するだけでなく、さらに「総括表」というものを併せて提出することが必要でした。1枚別途で作成します。この総括表が令和3年の4月から廃止されることになりました。
総括表が不要になった届出はほかにもあります。「被保険者報酬月額算定基礎届」(いわゆる「算定基礎届」)です。
この手続きは年に一度、7月10日までに届出しなければならず、ボーナス支給時期とちょうど重なり労務担当者を忙しくさせます。この総括表には、社会保険に加入していない者を含めた全体の人数や勤務状況などまで記載しなければならず、なんとも面倒なものでした。(総括表ごめんなさい)それらが不要になったことは、労務担当者にとっては結構な工数削減にもなります。
賞与不支給報告書の新設
これまで、ボーナス支給予定日として登録していた日に支給しなかった場合には、その旨を記載した総括表だけを提出していましたが、このたびの総括表廃止により、あらたに「賞与不支給報告書」というものが新設されました。不支給の旨の報告をする点はいままでと変わらないということですね。
本日はとてもマニアックな内容になってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。
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