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なぜ人は仕事をやめたいと思うのか?

  • 4 日前
  • 読了時間: 4分

年度末は退職が多い時期でもあります。人が「仕事をやめたい」と思う心理にはどのようなものがあるでしょうか?



私は普段、従業員側からも労働相談を受けることがあります。人が退職するとき、自身の健康問題や家族の事情などが直接的な理由のこともありますが、それ以上に、職場に対する何らかの思いから退職を考えていることが多いと感じます。それを単純に「不満」と言うこともできますが、それだけでは片づけられないものがそこにあるように思います。

人が退職したくなる心理について、自分なりの考察をしてみました。


期待とのズレ

人が仕事を始めるとき、何らかの期待を抱いているものです。それは、給与や福利厚生などの条件面にとどまらず、「やりがいがあるはず」「成長できるはず」といった具合に。しかし現実は往々にして期待どおりには行きません。この「こんなはずじゃなかった」という感覚が積み重なっていくと、やめたいという気持ちは確実に育っていってしまいます。


人を採用するとき、労働条件で良い面だけを強調しすぎないことや、やりがいだけでなく、仕事の地味さや大変さも含めて理解してもらうようにすることで期待値を調整することが重要になります。


また、どんな評価をしてもらえるのか、という点は従業員にとって重要です。会社は「何を求めているのか」「どのように評価するのか」「評価が待遇にどう反映されるのか」をできるだけ明確にし、一貫性をもって対応していく必要があります。これは最初のうちだけでなく、従業員個人のキャリアに応じて継続して行っていく必要もあります。こちらに関しても、過度に期待を持たせるのではなく、できないものはできないと、ときにハッキリ言わなくてはいけない場面も出てくるでしょう。


「自分ではどうにも変えられない」という感覚

二つ目は「自分では変えられない」という感覚です。この感覚も仕事をやめたいと思う原因になるのではないでしょうか。


この感覚はさまざまなことに対して起こります。例えば、仕事の進め方や役割分担に関して、「こうした方が断然効率が良い」と思っていても、それを意見できない、または言っても取り合ってもらえないという場合。はたまた、上司や社長の性格や考え方。これが自分には合わない、と感じたときにほとんどの人は、相手は変えられないと思うのではないでしょうか。


人は、自分が選んだ仕事を、自分が選んだ方法でやれている、と感じられたとき、同時にやりがいも感じるのだと思います。しかし、これはすべてを自由にさせるという意味ではなく、先の例で言えば、仕事の優先順位や進め方の工夫などの部分に対し、裁量を持たせるのです。そうした小さな裁量があるだけで、「やらされている側」から「担っている側」へと意識が変わります。


そしてもう一つ重要なのは対話です。意見が通るかどうか以上に、「意見を言ってもいい」「まずは考えを聴いてもらえる」という実感があるということ。すべてを自分の思うように変えることはできないにせよ、意見自体は受け止めてもらえるという感覚が、心理的安全性を育て定着を生みます。


「仕事」を離れるのではなく「人」から離れる

会社の規模が小さくなればなるほど、この傾向が強く出るのが、「仕事」を離れるのではなく「人」から離れるために退職するという現象。「自分ではどうにも変えられない」のところでも書きましたが、やはり人を変えることができないと感じた人が退職していきます。「仲良くできない」「価値観が違いすぎる」。当事者間においては重要な問題ですが、人間同士、相性の良し悪しがあって当たり前と考えて、割り切っていくことも重要ですね。


しかし、中でも社長の性格や考え方は別格だと思っています。小さな会社においては、それ自体が職場環境になったり、従業員のモチベーションになると言っても過言ではありません。それぐらい会社のカラーを決める要素なのです。


もしそれが自分とは合わないと感じた従業員がやめてしまうのなら、それは仕方のないことなのかもしれません。なぜなら、従業員ごとに合わせてコロコロ社長の考えや対応を変えるわけにはいかないからです。それこそ、理不尽に受け取られたり、不安感をあおることになってしまいます。


では、どうすればよいのか。特に小さな会社で起こりがちなのが「言わなくてもわかっているだろう」。考え方が合うか合わないかの前に、それらが言語化されていますか?なぜこの判断なのか、なぜこの方針なのか、社長の頭の中にある前提や価値観はしっかりと従業員に伝わっているでしょうか?説明がないと、人は勝手に悪い想像を膨らませることがあります。ぜひ、社長は従業員に想いを伝え、従業員はやめることを迷っているなら決断する前に意見を伝えてみたり、対話することを試みてください。



仕事を続けるかやめるかを考えることは、自分が仕事において何を大切にしているかを知るためのプロセスでもあります。もっとも、退職するという行為はネガティブな要因だけでなく、「人生をもっと良くしたい」というごく自然な反応で起こす行動なのかもしれません。





最後までお読みいただきありがとうございました。








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